チョウザメは生後50日後くらいに体長10cmを超えるくらいから、各段に丈夫になります。体長50cmくらいに成長すると体表面が濡れていれば半日くらい水から出していても池に返すと元気に泳ぎはじめるくらいです。
ただ、飼育環境によっては簡単に体調を崩したり、死んでしまったりします。チョウザメ飼育のポイントを理解し、愛情をこめて育ててあげれば、すくすくと元気に成長します。
なお、チョウザメは種類にもよりますが平均1〜4mくらいに成長します。大きくなり飼えなくなった場合は、当養殖場で引き取ることも可能です。(大きくなり飼えなくなったら…)
鯉(コイ)が飼える池があれば理想的ですが、幅120cmくらいの水槽やプラ船があればある程度の大きさまでは飼育可能です。
一般的な上部濾過の設備があれば、水槽で飼育できます。
稚魚(5〜10cm)の時期は、ホームセンター等でも売られている幅60cmサイズの水槽でも充分です。最近では、ろ過器や照明等もついたお得なセットが数千円で販売されています。幅60cmの水槽で2〜3尾飼育可能です。体長に合わせて、幅120〜200cmサイズの水槽を準備してください。
チョウザメが届く前日までには水槽をセットし、ろ過器を回して正常に機能することを確認しておいてください。水槽に上部ろ過装置をつけて、水流が強くならない程度にエアレーションをしてください。水道水を使用する場合は、市販のカルキ抜きを使用して中和してください。
冬季の保温(ヒーター)は必要なく、4℃〜27℃くらいまで適応します。チョウザメは低温での飼育が良いと言うイメージがありますが、適温は意外と高く20℃前後が餌も良く食べて大きく成長します。夏季に28℃を超える場合は、水槽用クーラーが必要です。
エアレーションとは、水に酸素を触れさせ水中に酸素を供給することです。そうすることにより、酸素が水中に溶け込みバクテリアの繁殖や魚の呼吸を助けます。エアレーションと言うと、"ブクブク"と空気の泡を水中に送り、水中に酸素を供給することを指す場合が多いですが、フィルター(ろ過器)で水流を作り、酸素に触れさすこともエアレーションと言います。上部ろ過器が付いた水槽の場合は、通常は別途エアレーションを設置しなくても大丈夫です。
水槽飼育に比べ水量が多く水質が安定しやすいメリットがありますが、あまりに広い池に小さい個体を入れると、餌やり等の効率が悪くなります。
また、鳥(サギ)やイタチなどの被害を防ぐため、水面をネットで覆うなどの対策が必要です。
水槽飼育よりも安価で水量も確保でき、移動も比較的簡単で、一番現実的な飼育法かもしれません。注水・排水・濾過方法を工夫すれば、かなりの大型魚まで育て上げることも可能です。
水槽飼育でも同じですが、同じくらいのプラ船を2個準備して定期的に掃除した方に入れかえる方法も有効です。
チョウザメが届いたら、いよいよチョウザメを水槽や池などの新しい環境に移します。
ペットショップから直接購入または通販で購入のいずれにしても、酸素と水の入ったビニール袋で移動するのが一般的です。当店では、このビニール袋を発泡スチロール箱に入れ、さらに温度が上がり過ぎないように氷を入れて配送ます。
こうして運ばれてきたチョウザメを新しい環境に移すときは今まで育ってきた環境から大きく変化するので、体調を崩す危険性が高いです。ゆっくりと新しい環境に慣らすため、温度合わせを行ってください。
なお、フンなどで水の環境が悪くならないよう、発送前の数日間は餌を与えずお腹に餌がない状態で発送します。
水槽などの新しい環境へチョウザメの生体を移す(導入する)には、温度合わせの作業が必要です。次のような手順で温度合わせを行ってください。ここでは、水槽へ移すこととします。
いきなり水槽に浮かべると急激に袋の中 の水温が上がってしまい、ショック死する場合もあります。無事に水槽へ移すことができても、しばらくは異常がないか注意深く観察してください。
水槽にチョウザメを放した直後は、 上の方でグルグル回ったり落ち着きの無い行動をとることがありますが、環境に慣れて来ると落ち着いてきて底を中心に泳ぐようになります。
すぐにエサを与えたいところですが、体調をくずす原因になり兼ねませんので、1〜2日くらい様子を見て、環境に慣れてきたところで少しずつ餌を与えてください。
チョウザメを水槽に移してから数日たてばチョウザメたちもすっかり落ち着いてくると思います。そのあとは餌やりを1 日に2〜3回、底掃除はできれば毎日、そして数日に一度は水換えをしてあげましょう。
餌は、ペレット状の人工飼料や冷凍アカムシなど沈下性の餌なら何でも食べます。熱帯魚用や淡水魚用の粒状のエサ(底に沈むタイプ)でよいでしょう。
チョウザメには歯が無く、餌は丸飲みにします。口の大きさの割にのどが細いので、大粒の餌だと一度口に入れても吐き出してしまうこともあります。その場合は、粒が小さ目の餌を与えてください。また、食べたと思っても喉に入らずに吐き出す場合もあるので、観察が必要です。
また、チョウザメは時間をかけてダラダラ食べるような食性です。匂いで餌を探すので、長時間経って匂いが無くなった餌を食べないこともあります。残り具合を見ながら餌を与え、残って古くなった餌は取り除いてください。
少しずつ何回も与えるのが理想ですが、朝と夜の2回でも大丈夫です。与えすぎると飼育水がすぐに汚れますし、少なすぎると痩せてきてしまうので、観察しながら量を調整してください。
なお、チョウザメは動きが鈍く底に沈んだ餌しか食べられないため、他の魚と混泳している場合には食べ負けてしまうこともあるので、そのあたりの配慮も必要です。
廣島蝶鮫セレクトでは、下記のエサをおすすめしています。
チョウザメは新しい水を好むので、池で飼う場合は河川水や地下水を流しっ放しの状態が理想です。循環水でも週1回のペースで、全体の30〜60%くらいの水を替えるのがよいでしょう。また、底に残った餌やフンはこまめに(できれば毎日)掃除しましょう。
底掃除は、サイフォンの原理を利用して行います。水槽の底掃除のやり方は、下記の通りです。
いずれの作業も、水温やろ過能力、魚の数によってタイミングが違いますので、ご自分のペースを早めにつかんでください。また、大きくなるにつれて食べる量も増え、排泄物も多くなってきますので、チョウザメの行動・体色・ツヤ・餌の食べ方・飼育水の色や臭いを注意深く観察し、早めに対応できるようにしてください。
チョウザメは寒い地域に多く棲んでいるので低水温を好むと思われがちですが、適温は20℃前後で10℃以下になると餌もあまり食べなくなり池の底でジッとしていることが多くなります。なお、水面に氷が張るほど水温が下がっても、動きが鈍くなるだけで死ぬことはありません。
水温25℃くらいで熱帯魚との混泳も可能ですが、低水温から高水温への急激な温度変化には弱いので時間をかけて1日1℃くらい上げて水温を調整していくようなペースが理想的です。
チョウザメは底に沈んだ餌を匂いで探して食べるので、底に砂を敷かない方が良いと思います。
水槽には、水草・流木・岩などは入れない方が良いです。チョウザメが引っかかったりぶつかったりして危険です。
他の魚との混泳は、鯉や金魚などの温和な魚であれば可能です。(チョウザメと淡水魚の混泳について)
チョウザメが大きくなり飼えなくなったり、生活上の理由により飼えなくなった場合は、当店へお電話またはメールにてご連絡ください。
無償でチョウザメを引き取りさせていただきます。なお、その際の送料や梱包代は、お客様ご負担でお願いいたします。チョウザメの買い取りはできませんのでご了承ください。
梱包方法は、概ねチョウザメ購入時に到着した時と同じ方法でお願いいたします。透明の大きめのビニール袋に淡水と酸素を入れ膨らませ、発泡スチロール箱に入れてください。さらに、発泡スチロールの中に氷を入れてください。発泡スチロール箱は、ホームセンター等でご購入いただけます。
ご不明な点がございましたら、お気軽にご相談ください。